冴えない医学生が素敵な医師になるまでの軌跡

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【医学生が語る】医者と患者の恋愛はあるのか!?

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「教師と生徒」の恋愛と同様、大きなテーマとなり得るこの恋愛。実際のところはどうなのか気になっている人も多いことでしょう。今回は、医学生の立場から医者と患者の恋愛について詳しくみていきます。

もし患者さんから手を握られたら医師はどうする?

僕が臨床実習前に受けたCBTという試験の中に、こんな面白い問題がありました。
 
「入院中の患者。以前から好意的な態度を示しており、突然診療中に手を握ってきた。医師として適切な対応はどれか」
 
(a)どうしたのか聞く。
(b)何もせずにそのまま握らせておく。
(c)黙って手を払いのける。
(d)手を握り返す。
(e)「何をするんですか」と怒鳴る。

皆さん、どれが正解だと思いますか?

 
正解は、(a)の「どうしたのか聞く」です。
 
(c)の「手を払いのける」や(e)の「怒鳴る」といった行為が適切ではないのは常識的に分かりますが、(b)の「握らせておく」や(d)の「握り返す」はどこがダメなんでしょうか。解説にはこう書いてありました。
「握らせておく」「握り返す」といった対応をとると、誤解されてしまい、患者の感情に拍車がかかる。
つまり、医師側が好意を受け止めたとみなされるからNG!ということです。
そんな簡単に恋愛が成立したら普段苦労しないよ(笑)。
 
(a)が正解の理由としてはこんな感じです。
患者は医師に両親や恋人の姿を重ねやすく、親密なコミュニケーションをとりたがる。そんな時は、冷静に患者の心情をたずねるのがよい。
むやみに否定や肯定をするのではなく、医師はまず冷静に患者の気持ちを聞く!が正しい対応とされています。
 
ちなみに僕が初めて解いたときは(d)を選んで間違えました(笑)。
医学部では「共感的態度が大事!」とよく教えられるので、「握り返すのが正解かな?」と思ったのですが…共感的態度の濫用だったようです。
 

こんなデータも・・・

 少し調べてみると、医療健康サイト「日経Gooday」に、「医師2887人に聞いた『患者と恋に落ちるのってアリ?』」という記事が掲載されていました。
 
それによると、20~70代の現役医師で、「患者と相思相愛になったことがある」が全体の5%を占めていました。また、「患者との恋」について意見を聞くと、「避けるべき」が65%に対し「仕方がない」は35%で、特に女性医師と若手医師に否定的な意見が多かったということです。
 
「患者との恋は避けるべき」という意見が大多数となることは予想できましたが、患者さんと相思相愛になった医師が20人に1人はいるんですね!びっくりです。ちなみに僕の周りでは、先生と患者さんが恋愛関係にあるという噂はこれまで聞いたことがないです。
 

実際に現場を見て僕が思うこと

 実際に、臨床実習で外来や入院患者さんを見学させていただくと、患者さんは高齢者の方が圧倒的に多いです。恋愛関係になるシチュエーションはそもそも少ないと思います。
 
また最近は、乳腺外科医が準強制わいせつ罪で訴えられたように、医療事故以外でも医者が患者に訴えられるケースは多く、男性医師が女性の患者さんを診察・治療するときは特に気を遣っています。開業医で「セクハラされた!」なんて噂が立ったら、やっていけなくなりますからね。
 
したがって、たとえ若い女性が患者として現れた場合でも、疑われるようなことはしないと考える医師がほとんどです。臨床実習でも「女性の身体診察は2人きりにならないように!」と釘を刺されます。
 
このような理由から、医師が患者を恋愛対象としてみるのはリスクが大きいのではないかと思います。そもそも、結婚している医師は患者さんをそういう目で見ていないですからね。
 

まとめ

冒頭の問題にあったように、最近の医学生は、患者さんからアプローチされた場合の正しい対応を学んでいます。また、患者さんにはそもそも高齢者が多く、若い女性の患者さんであっても訴訟のリスクを考えれば、医師が患者さんを恋愛対象としてみることはないと結論付けてよいでしょう。