冴えない医学生が素敵な医師になるまでの軌跡

医療・恋愛・趣味・医学部受験・ライフハック等について発信します。

患者さんに言われて印象に残った言葉

今回は、僕が臨床実習で患者さんに言われて印象に残った言葉を紹介します。
臨床実習(ポリクリ)では、大学病院の全ての診療科を2週間または3週間ずつ回るのですが、その中で入院患者さんを担当させてもらうことがあります。
担当患者さんに対して医学生がやることは、患者さんへの問診、身体診察、練習用の電子カルテ記入、検査の立ち合いなどです。
毎日、入院している患者さんのところに行って話を伺い、病状や検査結果の評価(アセスメント)をしたり、今後の治療計画を考えたりします。
もちろん、医学生がオーダーを出したり、処置をしたりすることはできませんが、主治医のサブみたいな立ち位置だと勝手に思っています。

血液内科を回っていた時のこと

血液内科では、悪性リンパ腫の入院患者さんを担当させていただきました。
化学療法を行うために入院してきた患者さんです。
とても元気な方で、普通の人がみたらどこも悪いところが無いように見える人でした。
入院患者さんのところに行ったときは、まずバイタルをチェックしたり、体調の変化を伺ったりするのですが、病状が安定している患者さんとは、だんだん世間話をするようになるんですよね(笑)。
話の内容は、家族の話だったり、お仕事の話だったり、主治医には言えない秘密のトークだったり。
患者さんの方もいつも病気の話ばっかりだとうんざりしちゃいますからね。
その方といろいろな話をする中で、特に印象に残った言葉がありました。
主治医の先生について話していた時、次のようにおっしゃったのです。
患者さんの話をよく聞く先生がいい医者だと思うよ。先生が一方的に話すと、話したいことも話せなくなるからね。」
その言葉を聞いて、なるほどなぁと思いました。
それまで、患者さんが医師に対してどういう印象をもっているのか直接聞いたことはなかったので、「患者さんの話をよく聞く先生がいい医者」という言葉は、当たり前のようにみえて、実は新鮮でした。
確かに、医師が患者さんに説明するとき、短い時間で要点だけ患者さんに伝えて、後は任せとけ!というスタンスの医師は多いと思います。
大きな病院で働いている医師は、外来・入院含めたくさんの患者さんを担当していて、一人一人にかける時間が短くなってしまうことが大きな要因の一つでしょう。
しかし、画像上の改善や異常な検査値を正常に戻すことにこだわりすぎて、患者さんが困っている症状の改善が置き去りになってしまっては、本末転倒です。
自分が医師になった時には、たとえ短い時間の中でも、患者さんの話を聞く時間をしっかり確保しようと心に留めておきました。
雑談する時間だって、必要なのかもしれませんね(笑)。